仕事でひんぱんにミスを繰り返す・人間関係がうまくいかないという悩みのある方はいませんか?
このような悩みを持つ女性のなかで、実はADHDであるケースがたびたびみられます。
女性は男性よりADHDの特性が目立ちにくいため、子ども時代に見過ごされやすい特徴があります。
そのため「だらしのない人」「おしゃべりで自己中心的な人」とまわりから非難され、孤立することも少なくありません。
この記事では大人女性のADHDにみられる特徴や、とくに仕事で悩みやすいポイントと対処法について解説します。
ADHDを疑ったらまず病院で診断を受け、適切なサポート体制を整えてもらうことが大切です。
この記事を読めば、困りごとの適切な対処法や利用できる支援が理解できます。
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ぜひお聴きください。
大人の女性によくあるADHDの特性
女性のADHDは症状が目立ちにくく、見過ごされやすい特徴をもちます。
多動・衝動性の目立つ男性と異なり、不注意メインであることがおもな理由です。
具体的に、女性にみられやすいADHDの症状について解説します。
女性のADHDは不注意が特に目立つ
女性のADHDは、多動・衝動性より不注意による症状が目立ちやすいです。
不注意は一定期間集中力を保てない状態のことであり、人の話をよく聞く・用事を覚えるのに支障をきたします。
大事な用事を忘れたりミスを繰り返したりするため、まわりから怒られてしまうこともあります。
ADHDの特性により気持ちの切り替えも苦手なため、失敗を引きずってしまいがちです。
多動・衝動性はおしゃべりに出やすい
ADHDの多動・衝動性が「おしゃべり」に出やすいのも、女性によくみられる特徴です。
男性の場合は授業中に歩き回る・かんしゃくを起こすなど、行動として目立ちます。
一方で女性の場合は余計なことをいう・一方的に喋りすぎるなど、行動からADHDだと気づかれにくいのです。
そのため無神経で自己中心的な人と誤解され、とくに女性から嫌われやすく孤立してしまいます。
女性は多動・衝動性が目立ちにくいため、ADHDに気づかれず1人で悩むケースも少なくありません。
片付けや時間の管理が苦手
片付けや時間管理の苦手さは男女共通ですが、女性の方が影響を受けやすいといえます。
家事=女性の仕事という考えは根強いため、片付けができないことやルーズさを男性よりも責められやすいためです。
マルチタスクや計画的な行動など、家事はADHDの方にとって苦手な要素が満載です。
家事が得意でテキパキ行動できる姿を女性に求める人は多いため、うまくできない自分に苦しんでしまいます。
ADHDの女性の仕事であるあるな悩みと対処法
ADHDのある女性は、仕事で悩みを抱えやすい傾向にあります。
不注意や先送り傾向などにより、仕事上のミスやトラブルを起こしやすいためです。
ADHDの特性が影響する仕事の悩みは、工夫と周囲のサポートである程度は対処可能です。
努力しても仕事がうまくいかないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
うっかりミスが多い
うっかりミスは、不注意によって引き起こされる代表的な悩みです。
気が散りやすく人の話を最後まで聞けない、忘れっぽいといった特性が影響しています。
対策として仕事中に指示を受けたら、頭で記憶するだけではなく文章に残すのをおすすめします。
ADHDは視覚優位の方が多いため、目で見たもののほうが記憶に残るためです。
しかし複数の動作を同時に行うのは苦手なので、話しながらメモをうまく取れない方もいるかもしれません。
可能なら相手に、口頭で話したことは後から書面やメールにしてもらうようお願いするとよいでしょう。
また作業後は2回以上チェックする・細かいところに気づくタイプの人にダブルチェックしてもらうのもよい方法です。
物をなくしやすい特性もあるので、重要な書類や物品は預からないのもミスの予防につながります。
期限や締め切りが守れない
時間厳守ができず、仕事でトラブルになるケースもあります。
余裕をもって行動するのが苦手で先延ばしする傾向もあるため、時間管理がルーズになりがちです。
ADHDの特性には忘れっぽさもあるので、アラームやリマインダーなどのツールでカバーするのをおすすめします。
期限や締め切りに遅れやすいことをまわりに伝え、タイミングよく声をかけてもらうのもよい方法です。
仕事を詰めすぎる・断れない
先の見通しを立てるのが苦手なため、できると思って仕事を詰め込んだり安易に引き受けたりしてしまいます。
とくに女性の場合、多動が考えのまとまらなさに出やすい傾向にあります。
やりたいことを整理できず予定を詰め込んだ結果、期限や締め切りを守れないのです。
対策としてはあらかじめ予定外のことが発生するのを想定して、ゆとりのあるスケジュールを組むようにしましょう。
女性同士の付き合いがうまくいかない
職場で孤立したり、あからさまに嫌な態度を取られたりする場合も少なくありません。
女性同士の人間関係では、とくにADHDの特性による不用意な発言や行動は嫌われやすいのです。
また同じミスを繰り返す様子から、いいかげんで信頼できない人だと誤解されてしまうこともあります。
失言やミスをした時はまず素直に謝ってから、言い分を相手に説明すると良いでしょう。
場合によっては、特性を相手に伝えた方が理解してもらいやすいケースもあります。
苦手なことに目を向けすぎず、得意なことを活かしてまわりから評価や信頼を得られるとベストです。
自分を責める・うつ状態になる
仕事も人間関係もうまくいかず自分を責め続けた結果、うつ状態になる場合もあります。
ADHDによる困りごとの連続や、まわりからも責められる経験によりストレスをためてしまうためです。
また、予定を詰め込みすぎて疲れをためてしまうことも影響します。
こころも身体も疲れ切ってしまい、女性のADHDではうつ病などこころの病気を併発するケースは少なくありません。
ADHDの診断・検査・治療
もしかしてADHDかもと思った時は、精神科・心療内科を受診し診断を受けるのがおすすめです。
診断を受ければ適切なサービスを受けやすくなり、生きにくさも軽減できます。
まずは精神科・心療内科を受診する
ADHDの診察を行っているのは、発達障害を扱っている精神科・心療内科になります。
発達障害に対応しているか、事前に精神科・心療内科のホームページで確認しておくとよいでしょう。
子どもの時の様子を聞かれることがあるので、受診時は成績表や母子手帳などを持っていくのをおすすめします。
ADHDの方に行われる検査・治療
ADHDの診察時には問診のほかに、発達検査や心理検査などを行います。
診断がついた後の治療は、薬物治療と環境調整がメインです。
並行してADHDについて理解を深め、生活面の見直しや周囲のサポート体制を整えます。
ADHDはほかの発達障害やうつ病などを併存していることも多く、治療が必要なケースもあります。
困った時に利用できるおもな支援先
女性はADHDの特性があっても理解されにくく、1人で悩みがちです。
1人で抱え込まず、困りごとや悩みに合った支援を活用するのがおすすめします。
具体的にADHDの方が利用できる支援先と、支援内容をご紹介します。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターとは、発達障害に関する相談や支援先の情報提供を行う専門機関です。
全国の都道府県や市町村、指定された社会福祉法人が運営しています。
悩み相談は発達障害に関連したことであれば何でもよく、必要ならほかの公的機関と連携して対応してくれます。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、こころの病気や障害を持つ方やご家族のさまざまな相談に対応する公的機関です。
名称は「こころの健康相談センター」や「リハビリテーション推進センター」などさまざまです。
保健師や精神保健福祉士などが配置されており、専門的な助言や情報提供が受けられます。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、こころの病気や障害のある方向けに就労に向けたサービス全般を行う施設です。
特性に合った仕事探しや資格取得、ビジネスマナーや仕事を続けるための工夫を学べます。
1人ひとりに合わせたプランを立てるため、自分のペースで利用できるのもメリットです。
利用料金は収入に応じて変わりますが、ほとんどの方は無料で利用しています。
原則2年間の利用制限はありますが、きめ細やかなサービスが受けられるためADHDの方も多く利用しています。
大人女性のADHDは治療や支援を受ければ生きやすくなる
女性のADHDは、大人になってから気づかれるケースが多々あります。
特性による困りごとが目立たないため、性格や努力不足だと誤解され1人で悩むことも少なくありません。
しかしミスの多発や時間が守れないといった問題は、努力だけで解決するのは困難です。
そのため大人女性のADHDは診断・治療を受けた上で、まわりのサポートを得ることが大切です。
特性上で苦手な面はフォローしてもらえば、得意を活かし仕事で活躍できます。
「仕事がうまくいかない」「できない自分を責めてしまう」
このようなお悩みのある方はケイエスガードにぜひご相談ください。
ケイエスガードは、神奈川県川崎市にある就労移行支援・就労継続支援B型事業所です。
自分のペースで活動できるので、遅刻が心配という方でも一緒に時間管理を工夫しながら通えます。
興味や得意を活かした活動ができるので、アイディアを出すのが得意で行動力のある方にピッタリです。
興味のある方は、ぜひお問い合わせください。