この記事では、うつ病の方向けの仕事を紹介します。現代は仕事によるストレスが大きく、多くの方がうつ病に悩まされているようです。
うつ病になると仕事への復帰が難しい場合もあります。そのため、次のような悩みを抱えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「うつ病後は仕事ができるの?」
「うつ病でも働ける職場は?」
「在宅ワークは働きやすい?」
この記事を読むと、うつ病から仕事へ復帰する際のポイントがわかります。おすすめの在宅ワークや、ハローワークをはじめとした就職支援サービスについても解説しますので、参考にしてください。
うつ病が増える背景と避けた方がよい仕事について
現代は仕事でストレスを抱える人が多いことが、うつ病の増加につながっているともいえます。うつ病から社会復帰する場合は、ストレスがかからない仕事を選んだ方がよいでしょう。ここでは、仕事にストレスを感じる人の割合と、うつ病から復帰する際に避けた方がよい仕事を解説します。
仕事に不安やストレスを感じる人は半数以上
多くの人が仕事に不安やストレスを感じています。厚生労働省の調べによると、仕事に強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合は次のとおりです
仕事に不安やストレスを感じる労働者は半数以上に上り、だれが仕事でうつ病になってもおかしくはない状況といえます。次にうつ病から復帰する際に、避けた方がよい仕事を解説します。
うつ病から復帰する際に避けた方がよい仕事
うつ病から復帰する際に避けた方がよい仕事は次のとおりです。
- 質の高さが求められる仕事
- 作業量の多い仕事
- 失敗が許されない仕事
- 重い責任が発生する仕事
- 対人関係に悩みを抱えやすい仕事
うつ病の方に向かない仕事は、厚生労働省の仕事とストレスに関する資料を確認するとわかります。下記の資料によると、仕事でストレスを感じる内容は次のとおりです。
資料からわかることは、仕事の質や量がストレスに大きく関係している点です。そのため、うつ病から仕事に復帰する場合は、まずは質や量を調整できることが大切です。また責任が発生するような仕事や、対人関係に不安を感じる仕事も避けた方がよいでしょう。
では次に、うつ病の方に向いている仕事を具体的に見ていきましょう。
うつ病の方に向いてる仕事3選
うつ病の方に向いてる仕事は次のとおりです。
- 軽作業
- 医療・介護・福祉
- エンジニア・技術職
それぞれについて解説します。
軽作業
軽作業は簡単な作業を行う仕事です。人と対面する場面が少ないため、対人関係が苦手な方でも働きやすい仕事といえるでしょう。不向きな仕事を強要されることがなく、大きな責任を伴うような仕事も少ないと考えられます。
仕事上のストレスを受けにくいため、うつ病から復帰する場合は軽作業からはじめるのもおすすめです。
【具体的な仕事内容】
- 荷物を配送先別や種類別に仕分ける仕事
- 商品や箱詰めする仕事
- 倉庫内の商品を移動させる仕事
医療・介護・福祉
医療施設で、医療スタッフや介護職員として働く仕事にも、うつ病の方に向いてる働き方が見つかります。医療関係の仕事は福利制度が整っており、精神疾患に対する理解のある職場が多いのです。
しかし仕事内容によっては、医療系の国家資格が必要です。ご自身が関わることができる分野で、仕事をはじめるとよいでしょう。
【具体的な仕事内容】
- 看護師:医療補助や患者ケアを行う
- 介護職員:施設の入所者の入浴や排せつ、着替え、散歩。買い物の手助けをする
- 理学療法士:リハビリなどを通して、体の機能回復の手助けをする
エンジニア・技術職
エンジニアや技術職とは、システム開発やものづくりに携わる仕事で、活躍できる業界は多岐にわたります。精神疾患について理解のある職場だと、業務量について相談できたり、自分のペースで仕事を進めたりできます。
【具体的な仕事内容】
- IT系:主にプログラミングを行う仕事
- メーカー系:機械やソフトウェアの製造に携わる仕事
- 建築系:構造物の設計から施工、検査などに携わる仕事
うつ病後の仕事復帰のポイント
うつ病後に仕事へと復帰するポイントは次のとおりです。
- 生活リズムを整える
- 周囲のサポートが受けられる環境で働く
- 前職でうつ病だったことを伝える
ここで紹介するポイントを抑えると、うつ病からも復帰しやすくなります。ぜひ、参考にしてください。
生活リズムを整える
うつ病から復帰するためには、まずは生活リズムを整えることが大切です。うつ病の急性期は休養と薬物治療で過ごしてきた人も多いのではないでしょうか。昼間から横になっていることが多く、生活リズムが乱れている可能性があります。
睡眠のリズムを整えて、日中は昼寝をせずに済むような心身の状態を取り戻しましょう。まずは、決まった時間に寝て起きる生活を実践してみてはいかがでしょうか。朝から一人で家を出て、安全に通勤ができる状態が理想です。
周囲のサポートが受けられる環境で働く
うつ病を悪化させないためには、周囲のサポートがあり、安心できる職場環境で働くことが大切です。業務量が適正で、本人の裁量によって仕事量を調節できる職場環境がよいでしょう。
たとえば短時間勤務や出張制限、残業禁止などのサポートを受けられる職場だと、ストレスがなく復帰できます。
「試し出勤制度」がある職場に勤めている場合は、積極的に利用するとよいでしょう。「試し出勤制度」とは、一定期間、試験的に働いて職場復帰が可能かどうかを確認する制度です。試しに出勤するため、欠勤できないというプレッシャーも感じなくて済むのではないでしょうか。
前職でうつ病だったことを伝える
就職する場合は、前職でうつ病だったことを伝えて職場の理解を得られるかどうかを確認した方がよいでしょう。たとえば次のことを人事担当者に伝えてみましょう。
- 現在はどれくらいまで回復しているのか
- どのようなサポートをしてもらえると働けるのか
伝えたことに対して企業が納得するようであれば、安心して働ける可能性が高くなります。しかし就職に不利になると感じる場合は、無理にオープンにする必要はありません。相手から聞かれた場合には、答えるようにしましょう。
うつ病などの精神疾患であることを職場に伝えて働くことを、オープン就労。一方で伝えずに働くことを、クローズ就労といいます。下記の記事で、オープン就労とクローズ就労を詳しく解説しますので、参考にしてください。
参考記事:統合失調症になった場合に適した職場は?クローズ就労よりオープンが理想的
うつ病の場合は在宅ワークが向いてる?
うつ病になった場合の働き方として、在宅ワークを検討する方もいるでしょう。たしかに、在宅ワークはストレスを軽減できるため、うつ病の方に向いているかもしれません。
日本トレンドリサーチの調査によると、在宅ワークをした73.8%の方が通常出勤よりもストレスが少ないと回答しています。(参考:「テレワークに関するアンケート」調査概要|日本トレンドリサーチ)
しかし在宅ワークは、良い点ばかりではありません。うつ症状に対する、在宅ワークの好影響と悪影響を考慮して検討する必要があるでしょう。ここでは、厚生労働省の資料をもとに在宅ワークのメンタルへの好影響と悪影響を解説します。(参考:テレワークにおけるメンタルヘルス対策のための手引き|厚生労働省)
在宅ワークがメンタルヘルスに悪影響を及ぼす理由
在宅ワークがメンタルヘルスに悪影響を及ぼす理由は次のとおりです。
- 孤独を感じる
- 仕事に集中できずにストレスを感じる
- デジタルツールに苦手意識がある場合は、ストレスを感じる
孤独を感じる理由は、上司や同僚などと雑談できずに、何気ないコミュニケーションをとる機会が減ってしまうからです。そのため一人暮らしの場合は、ビデオチャットで話せる相手を見つけておくとよいでしょう。
また自宅の仕事環境が整っていないと、集中できない可能性があります。可能であれば仕事ができる部屋を確保して、机に向かって仕事をした方が集中できます。
在宅ワークではパソコンを中心に仕事が進みます。デジタルツールが苦手な場合は、在宅ワークを慎重に検討した方がよいでしょう。もしくは、後ほど解説する就労支援サービスを利用して、スキルを身に付けるのも一つの手段です。
うつ病の方に向いてる在宅ワーク5選
うつ病の方に向いてる在宅ワークは次のとおりです。
- Webデザイナー
- Webライター
- Webマーケター
- エンジニア
- CADオペレーター
以上の仕事は、就労支援などを通じてうつ病の方が学びやすい仕事です。ぜひ、参考にしてください。
Webデザイナー
Webデザイナーは、企業や個人店のサイトデザインを行う仕事です。クライアントの描くイメージに沿ってサイトを作成します。写真を加工したり、プログラミングでサイトを構築したりします。
Webライター
Webライターは、企業や個人に記事を納品して対価を得る仕事です。インターネット上に掲載されるコラム記事や広告文を書きます。
具体的には、次のようなライティングスキルがあります。
- SEOライティング:インターネットの検索結果に上位表示されるような記事を書く
- セールスライティング:商品やサービスをPRする文章を書く
- シナリオライティング:You Tubeで使用するシナリオを作成する
Webマーケター
Webマーケターは、企業や個人店のインターネット上のマーケティングに携わる仕事です。Webマーケティングにより、企業サイトに消費者を集客します。企業サイトを分析して、商品やサービスの購入につなげる役割もあります。オウンドメディアを構築したり、SNSを運用したりなどさまざまな働き方があります。
エンジニア
在宅で働けるエンジニアは、主にITエンジニアを指します。システムエンジニアは、コンピューターシステムの提案から設計、開発、テストに携わります。プログラマーは、システムエンジニアが制作した設計書をもとにプログラミングを組む仕事です。エンジニアにもさまざまな分野があるため、興味のある仕事を選択するとよいでしょう。
CADオペレーター
CADオペレーターは、CADと呼ばれる製図ソフトを用いて、図面の修正や調整、作製をする仕事です。設計士やデザイナーの指示に従って製図をします。建築などの構造物の設計だけではなく、家具、家電、自動車など幅広い分野の製図に携われます。
うつ病から仕事に復帰する場合は、就職支援サービスを利用するのもおすすめです。具体的なサービスを紹介しますので、参考にしてください。
うつ病の場合に受けられる就職支援サービス
うつ病の場合に受けられる就職支援サービスは次のとおりです。
- ハローワーク
- 地域障害者職業センター
- 就労移行支援事業
職病訓練などを受けて就労に必要なスキルも身に付けられますので、参考にしてください。
ハローワーク
ハローワークでは、就労に対するカウンセリングや、条件面での調整などに関する支援を受けられます。障害のある方専用の相談窓口もあるため、うつ病などの精神疾患の方も相談しやすいでしょう。障害者雇用や一般雇用枠のどちらでも相談できるため、自分の状況に合わせた就労支援を受けられます。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障害のある方に対して専門的な職業リハビリテーションを提供する施設です。全国の都道府県に最低1カ所は設置されています。ハローワークや企業、医療、福祉と連携して、専門性の高いサービスを提供しています。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、一般企業などへの就職が可能と見込まれる障がい者に対して、就労支援を行う施設です。次のような訓練や支援が提供されます。
【訓練や支援の内容】
- 就職に必要な知識や能力を向上させる訓練
- 求職活動に関する支援
- 職場定着に必要な支援
障がい者手帳がなくても、医師の診断書があれば無料で支援を受けられます。2年間に渡って少しずつ仕事の復帰を目指しますので、うつ病からなかなか復帰できない方にもおすすめです。詳しくは下記のページもご覧ください。
参考記事:就労移行支援のプログラム内容
うつ病に向いてる仕事で復帰するために就職支援サービスも利用しよう
うつ病に向いてる仕事場に復帰できると、継続して働けます。長く働くためにも、無理をせずに働ける職場で復帰するようにしましょう。
また在宅ワークについては、ストレスがたまりづらいという調査報告もあります。しかし、人によってはストレスがたまるため注意が必要です。
うつ病から自力で復帰するのは、難しいものです。そこで、うつ病後の就労を円滑に行うために就労移行支援を利用してみてはいかがでしょうか。ケイエスガードでは、生活リズムの立て直しから、在宅ワーク系の仕事に必要なスキル学習を受けられます。就労移行支援事業所をお探しの場合は、ぜひケイエスガードにご相談ください。