障がい者手帳を持つことで受けられるサービスは複数あります。この記事では、障がい者手帳を持っていると受けられるサービスを紹介しています。その他のメリットやデメリットを解説しているので参考にしてください。
障がいを持っている方は、障がい者手帳という存在を一度くらい耳にしたことがあるでしょう。しかし、障がい者手帳が何のためにあるのかご存じでしょうか。
障がい者手帳とは、障がいによって日常生活が困難な方や支援を必要とする方に対して、自治体が与える手帳です。
障がい者手帳の意味はおおよそつかめたと思いますが、取得することで具体的にどのようなメリットを受けらえるのか気になりませんか。
自分が障がい者であることを証明したからといって、何が良いのかわからないでしょう。
この記事では、障がい者手帳の所持で受けられるサービスを紹介しています。手帳を取得するメリットやデメリットもあわせて紹介しているので参考にしてください。
障がい者手帳を持っていると受けられるサービスは?
障がい者手帳を持っていると主に4つのサービスを受けられます。
税金の控除
障がい者手帳を取得すると所得税と住民税の控除を受けられます。具体的な控除額の目安は以下の通りです。
区分 | 所得税 | 住民税 |
障がい者 | 27万円 | 26万円 |
特別障がい者 | 40万円 | 30万円 |
同居特別障がい者 | 75万円 | 53万円 |
障がいのレベルによって控除額は異なりますが、いずれにしても高い金額です。生活に困っている方にとっては非常に助かるでしょう。
医療費の助成
障がい者手帳を持っているとさまざまな医療費の助成を受けられます。たとえば「自立支援医療費制度」が有名です。
自立支援医療費制度では、障がいを軽減・除去するための医療を受けた際に、自己負担額が軽減されます。
障がいを持つ方の中には、障がいの治療を受けている方もいるでしょう。治療中の方にとって障がい者手帳を取得するメリットは非常に大きいです。
各種公共料金の割引
障がい者手帳を取得すると、障がいのレベルに合わせて以下の公共料金が割り引かれます。
・公共交通機関の運賃
・上下水道料金
・NHK放送受信料
・携帯電話料金
・公共施設の入館料
こちらは一部ですが、日常的に使用する料金ばかりです。生活費から会社へ向かうための交通費も割引を受けられます。
その他の助成
障がい者手帳があれば医療費や税金、公共料金以外に以下の助成も受けられます。
・補装具購入費用の助成・支給
・障がい者の生活補助のリフォーム費用の助成
・携帯電話の割引
また、障がい者手帳は障がいの種類や等級で変わるのも特徴です。たとえば、精神障がい者向けの手帳を持っていると、さらに以下のサービスも受けられます。
・税制の優遇措置
・生活資金の貸付け
・各種交通機関を利用する時の支援・運賃の割引
障がいや等級によって利用できるサービスも変わるので、具体的に知りたい方はお近くの自治体を訪ねてみましょう。
障がい者手帳を持っていることのメリット
障がい者手帳には、4つのサービスを受けられる以外のメリットもあります。どんなメリットがあるのか順番に紹介していきます。
障がい者雇用枠を利用できる
障がい者手帳を持つ大きなメリットは、障がい者雇用枠を利用できるところです。障がいを持っている方の中には、一般企業で働いている方もいるでしょう。
しかし、一般企業への就労は障がいを持つ方にとって厳しいことがあります。一般企業は障がいの理解度が浅いので、働きづらいと感じやすいです。もしくは障がいのせいで、なかなか内定をもらえないこともあるでしょう。
このように障がいを持つ方が、一般企業で働くのは簡単なことではありません。障がいを持っていて、自分らしく働きたい方のためにあるのが障がい者雇用枠です。
一般枠に加えて、障がい者雇用枠という選択肢が増えるのは大きなメリットと言えます。
失業手当の給付期間が延びることがある
障がい者手帳を所持していると失業手当の際に就職困難者に分けられます。
失業手当の受給にあたって、一般枠と就職困難者の2種類があって、受給期間が大きく異なります。
一般枠:90日
就職困難者:150~360日(日数は年齢や被保険者の期間によって変動)
就職困難者の場合は、半年から1年ほど失業手当を受給することが可能です。
退職した方の中には、しばらく体を休めたい方もいるでしょう。じっくり休みたい方にとって、障がい者手帳を取得するメリットは非常に大きいです。
障がい者手帳を持っていることのデメリット
障がい者手帳を持っていても基本的にデメリットはありません。障がい者手帳を所持するメリットの方が大きいです。
ただ、しいて言えばデメリットもあります。では、障がい者手帳を所持する2つのデメリットを紹介していきます。
障がい者であることを明確に認定される
障がい者手帳を発行すると、自分が障がい者であることが明確にされてしまいます。
障がいを持つ方の中には、自分が障がい者であることを認定されたくない方もいるでしょう。
しかし、障がい者手帳は必ずしも提示する必要はありません。自分で開示の有無を決められます。
障がいを他の人に知られたくない場合は、障がい者手帳を提示しなければ知られることもありません。
そのうえ、障がい者手帳は返納することも可能です。障がい者手帳が不要になった場合は、自治体で手続きすれば問題ありません。
発行するまでに時間がかかる
障がい者手帳の発行には、1~2か月程度の時間が必要になります。すぐに手続きしても審査期間があるのですぐに取得できません。
最近退職して障がい者雇用枠への転職を目指す場合は、すぐに転職できないので気を付けましょう。
近くにある自治体で障がい者手帳を申請しよう
障がい者手帳の所持で受けられるサービスの種類やメリット・デメリットを紹介してきました。障がい者手帳を取得すると、主に金銭的なメリットを受けられます。障がいを持っている方は、この機会に障がい者手帳を申請してみてはいかがでしょうか。
障がい者手帳は就労移行支援の利用手続きの際にも必要になりますので、就労移行支援の利用を考えている方はこちらの記事も併せてご覧ください。