発達障害の方は障害特性から生活での不自由さを感じている方が多いので、1人暮らしは無理なのではと思うかもしれません。
発達障害があっても、苦手な部分を支援を受けながら対策すれば一人暮らしは可能です。
この記事では発達障害の方が1人暮らしでつまずきやすいポイントから、具体的な工夫の仕方まで解説します。
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発達障害の方が1人暮らしでつまずく原因
この項目では発達障害の特性から、1人暮らしで問題になりやすいポイントを解説します。
金銭管理が苦手
先の見通しを立てるのが苦手な傾向があるので、生活費の管理がネックになりやすいです。
発達障害の方の金銭管理で特に問題になりやすいのが衝動買い・無駄遣いで、ADHDの特性が強い人によくみられます。
一方でASDの特性が強い人に多いのが、こだわりから特定の物にお金をかけすぎてしまうことです。
注意してほしいのがクレジットカードの使用です。
使ってよいお金がいくら残っているのか把握しづらく、使いすぎてしまうケースがみられるからです。
生活費が足りなくならないよう金銭管理をすることは、1人暮らしをする上で必須になります。
大事な手続きを忘れてしまう
発達障害の特性によって、公共料金などの支払いや必要な手続きを忘れてしまうケースも多いです。
注意力散漫や先延ばしをしてしまう特性が原因で、手続きを忘れることがあります。
特にADHDの特性があると忘れ物・紛失もしやすいので、必要な書類をなくしてしまうこともあるかもしれません。
1人暮らしをするなら、手続き関係を忘れないようにする工夫は必要でしょう。
掃除・片付けが苦手
発達障害の方は掃除・片付けが苦手な傾向にあります。
掃除・片付けが苦手な原因は個人差がありますが、よくある例は以下の通りです。
- 一つの作業にこだわり、他の作業に意識を向けられない
- どこから片づけていいかの判断ができない
- 掃除・片付けに集中できない
- 他のことに意識が逸れてしまう
発達障害の特性もありますが、疲れが溜まっていると掃除や片付けに気が回らないこともあります。
掃除や片付けができないままだとゴミ屋敷化してしまうので、掃除や片付けをしやすい部屋作りを意識するとよいでしょう。
生活リズムが乱れやすい
発達障害の方が1人暮らしをする場合、生活リズムの乱れに注意が必要です。
趣味などに過集中となっても誰も止めてくれないので、寝食を忘れて没頭して疲れがたまってしまいやすいです。
ASDの場合こだわりから同じ食事内容ばかりとなり、栄養が偏ってしまう場合もあるでしょう。
生活リズムの乱れが慢性化すると体調を崩したり不注意が増えたりするので、仕事や学業に支障をきたすリスクがあります。
ご近所付き合いが苦手
発達障害の特性が原因で、近隣住民と上手くいかない可能性があることもリスクです。
適切な距離感が掴めなかったり、こだわりから集合住宅でのルールが守れなかったりしてトラブルに発展する可能性があります。
他にもASDの特性に聴覚過敏があるので、近隣の生活音が気になってしまう場合もあります。
発達障害の方は対人関係が苦手な場合が多いので、1人で対処せず家族や親しい人に助言やサポートをしてもらうのがおすすめです。
1人暮らしを成功させるための工夫10選
1人暮らしを失敗させないためには、特性に合わせた工夫をすることが大切です。
具体的な工夫例を紹介しますので、参考にしてください。
月の予算を決め、視覚化する
金銭管理が苦手な発達障害の方には、以下のような工夫がおすすめです。
・あらかじめ必要経費を差し引いた、毎月使って良いお金の予算を決める
・買い物リストを作成して買い忘れや衝動買いを減らす
・家計簿アプリやノートを使って収支を視覚化する
・クレジットカードを使う場合は限度額を下げる、デビットカードに変える
発達障害は視覚情報の方が理解しやすいので、家計簿やメモなどで情報を視覚化するのが有効です。
必要経費は自動引き落としにする
公共料金などの必要経費は自動引き落としにしておくと安心です。
必要経費まで使ってしまう・手続きを忘れるリスクを減らすことができます。
物の置き場所を決める
物の置き場所を決めて、使ったら所定の場所に戻す習慣をつけると良いです。
片付けの手間が減るのと、なくしものをしにくくなります。
置き場所が分からなくなってしまう場合は、物に置き場所を書いたラベルを付けておくと効果的です。
透明の収納ボックスや袋などを活用すると、収納した中身が見つけやすいのでおすすめです。
持ち物リスト・忘れ物防止タグを活用する
忘れものが多い特性をカバーする便利グッズの導入もおすすめです。
GPSがついていたりスマートフォンと連携している忘れ物防止タグは、鍵などの貴重品に使うとよいでしょう。
出かける時の持ち物リストを作って、玄関先など目立つところに貼っておくのも効果的です。
掃除の段取りを決めておく
どこまで掃除したかわかるように、掃除の段取りはルーティン化してしまうと良いです。
一度に全部をやろうとすると疲れるので、段取りを紙に書き出して少しずつ進めると負担が軽くなります。
掃除がなかなか進まない場合は、お掃除ロボットの導入も検討するのも手です。
ゴミを捨てる曜日や時間も段取りに加えて、ゴミ出しのルールが守れるようにしましょう。
栄養バランスを意識する
健康のためには栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切です。
無理して自炊にこだわらず、市販品でも栄養バランスが整ったものがあるので利用してみてください。
こだわりから特定のものしか食べられない場合は、サプリメントの摂取も検討してみると良いかもしれません。
アラームやタイマーを活用した時間管理
過集中になりやすい場合はスマホなどでアラームをかけておく、タイマーをセットするのがおすすめです。
「動画視聴は1日1時間まで」など、自分でルールを決めてしまうのも有効です。
睡眠時間を必ず確保する
睡眠不足になると、不注意が増えるなど日中の活動に支障が出るので注意しましょう。
もともと発達障害があると睡眠に問題を抱えやすい傾向があります。
寝る前の「ながらスマホ」をやめる、過集中になりやすいことは寝る前にやらないなど工夫してみてください。
家選びを工夫する
コンロの消し忘れや水の出しっぱなしなどの「うっかりミス」は発達障害に多くみられます。
これらは火災や漏水を引き起こし大きな被害をもたらす可能性があるので、家のハード面を工夫してリスク管理することが大切です。
具体的な例としてIH対応のコンロや、お湯張りが自動の給湯器、自動水栓などを導入することが挙げられます。
忘れないよう注意するだけでは限界があるため、ハード面から重大事故のリスクを減らすことが必要です。
相談できる相手を見つける
誰しも慣れない1人暮らしは不安に思うものです。
発達障害の方はイレギュラーへの対処力が弱いので、困った時に相談できる相手の存在はとても大切になります。
相談できる相手が複数人いると、特定の人に負担をかけすぎないので良いです。
状況に応じて、発達障害の方を支援する公的機関に相談してもよいでしょう。
1人暮らしで自立するには収入の安定が重要
発達障害に限ったことではないですが、1人暮らしをするには安定した収入があることが前提になります。
現在の収入状況を確認し、1人暮らしに必要な費用を支払うことができるかを検討してください。
もし安定した仕事が見つからない場合は、就労支援を活用することをおすすめします。
収入状況によっては生活保護を受けることもできるので、役所に相談してもよいでしょう。
生活と仕事が安定してから一人暮らしを検討しよう
発達障害があっても、特性による不得手をカバーできるような工夫をすれば1人暮らしをすることは可能です。
安定した収入があり自己管理ができることが必須になるので、まずは仕事や生活の安定から目指すと良いです。
1人暮らしで困ったことがあった時には1人で抱え込まず、相談できる相手を複数人見つけておくとよいでしょう。
1人暮らしを視野に入れた就労を目指したい方には、ケイエスガードの利用がおすすめです。
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