ギャンブルをしたい欲求が抑えられなくなり、生活に大きな支障が出る「ギャンブル依存症(ギャンブル障害)」。
一見うつ病とは無縁に思えますが、2つの病気は併発しやすいといわれています。
ストレスや不安が引き金となるなど、共通点があるのが理由です。
この記事では、うつ病の方がギャンブルの問題を抱えやすい理由や悪影響について解説します。
ギャンブルがやめられないのは、意志の弱さや性格のせいではありません。
仕事や生活へ影響が出る前に、病院などに相談することをおすすめします。
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ぜひお聴きください。
うつ病の方がギャンブル依存になりやすい理由
はじめに、うつ病の方がギャンブル依存になりやすい主な理由について解説します。
真面目でストレスや不安を抱え込みやすい人は、うつにもギャンブル依存にもなりやすいと言われています。
つらい現実から逃げたい気持ちでギャンブルに手を出し、依存症に移行してしまうのです。
ストレスの発散が苦手
ストレスへの対処として、ギャンブルにのめりこみやすいのが問題になります。
うつ病の方はストレス耐性が低く、ストレスを発散するのも苦手な特徴があります。
パチンコなどのギャンブルは1人で手軽にでき、一時的に喜びや幸せを与えてくれるものです。
大勝ちをしたり演出を楽しんだりしている瞬間は、ストレスを忘れられるでしょう。
しかし、ギャンブルは根本的なストレスの解決にはなりません。
だんだんギャンブルがやめられない自分に、罪悪感やストレスを感じるようになるでしょう。
ストレスへの対処としてのギャンブルが、依存症への扉を開いてしまうのです。
性格特性の影響
うつ病とギャンブル依存症は、なりやすい性格に共通点があります。
具体的には真面目で完璧主義、人に気を遣うなどです。
このような性格の方は、仕事ぶりも誠実で周りから信頼されている方も多いでしょう。
一方で困っても人に言えなかったり、ほどよく休息を取ったりするのは苦手な面があります。
つらい気持ちを人に迷惑をかけずに発散しようとして、ギャンブルに走る方は少なくありません。
不安をためこみやすい
不安でいっぱいな現実から逃れる手段として、ギャンブルにハマる方もいます。
うつ病の代表的な症状に、原因がわからないのに不安になる病的な不安感があります。
また、不安からソワソワして、落ち着かなくなる場合も少なくありません。
ギャンブルは勝つことの快感や演出など、現実を忘れ没頭できる要素が豊富にあります。
ギャンブルをしている時だけは、不安を忘れられると感じてしまうのです。
しかし、ギャンブルで不安感がなくなるのは一時的でしかありません。
むしろ金銭面などの新たな不安が生まれ、うつ症状を悪化させることすらあります。
不安から現実逃避したくてギャンブルに手を出した結果、依存症になるケースが少なくないのです。
ギャンブル好きとギャンブル依存の違い
ギャンブル=依存症ではなく、趣味の範囲で楽しむ人もたくさんいます。
そのため趣味と依存症の境界線が、気になる方もいるかもしれません。
結論として賭け金や遊戯時間を自分でコントロールできない状態だと、依存症が疑われます。
ギャンブル依存症になると、ギャンブルをする目的が変わるのも特徴です。
純粋な楽しみではなく、負け額を取り返そうという目的にすり替わってしまいます。
ギャンブル依存症は本人に自覚がないことも多々あります。
不安に思う方は、早めに専門家に相談してみてください。
ギャンブル依存によって起こる問題の例
ギャンブル依存症によって、人生が変わってしまった方は少なくありません。
この項目では、ギャンブル依存症の代表的な問題点を解説します。
うつや不安状態の悪化
ギャンブルがやめられない自己嫌悪や不安から、うつや不安状態の悪化をまねきます。
ギャンブル依存=ダメ人間というイメージから、自分を責めてしまうのです。
そもそもギャンブル依存症は、脳の機能の変化による病気です。
ギャンブルがやめられないのは、性格や意思の弱さが原因ではないことを知っておいてください。
また、深刻な借金問題を抱えていることが多いのも、うつ状態を悪化させる原因になります。
最初はストレス発散だったギャンブルがストレスの原因になってしまい、ますます依存を強めてしまいます。
金銭面の問題
使ってはいけないお金までギャンブルに使い、借金をするケースが少なくありません。
たいていの人は、ギャンブルで勝ち続けることは困難でお金に困るようになります。
賭け金をコントロールできなくなっているので、借金をしてまでギャンブルを続けてしまうのです。
ギャンブルのお金欲しさに、犯罪行為に手を染めてしまう人さえ中にはいます。
借金による生活苦や罪悪感によって、自身や家族を苦しめてしまいます。
仕事への悪影響
ギャンブルが生活の中心になってしまうので、仕事に悪影響が出てしまいます。
具体的には以下のような内容が挙げられます。
- 仕事に集中できず、ミスを繰り返しパフォーマンスが落ちる
- 無断欠勤してギャンブルをしてしまう
- 会社に消費者金融から電話がかかってきて、職場に居づらくなる
頭の中がギャンブルでいっぱいになり、本来の仕事ぶりを発揮できなくなってしまいます。
人間関係を失うリスク
ギャンブルをしたいがために取る行動が、周りの人からの信頼を失います。
ギャンブルによるお金の問題が深刻化すると、後ろめたさから嘘をつくようになります。
家族に「残業だから」などと嘘をつきギャンブルをしたり、隠れて借金をするのがよくある例です。
嘘がバレて口論になったり、離婚されてしまうケースも少なくありません。
同じように友達や同僚に対しても、嘘をついてお金を借りる・約束を破るようになってしまいます。
ギャンブルによって信頼を失ってしまい、家族や友人など大切な人を失いかねないのです。
ギャンブルの悩みは自分を責めず相談を!
「ギャンブル依存症」と「うつ病」は真面目で完璧主義といった、社会的に信用される要素をもつ人がなりやすい共通点があります。
うつ病の方は、ほどよく休息を取ったり、人に相談したりするのが苦手です。
そのため、ギャンブルによる現実逃避やつかの間の喜びに依存しやすいのです。
ギャンブル依存症の問題は、ギャンブルが遊戯ではなく、負の感情を埋め合わせることになってしまう点です。
また、依存症の自覚がないことも問題を深刻化させてしまいます。
金銭問題や仕事、人間関係のトラブルも起こり、人生が大きく変わってしまいかねません。
うつ病もギャンブル依存症も、どちらも不安やストレスが大きく影響しています。
よくあるのが仕事のストレスによって、ギャンブルにハマってしまう例です。
うつ病の方は人に迷惑をかけないように1人で抱え込んで、ストレスをためてしまいがちです。
ストレスでギャンブルに走って人生が変わってしまう前に、人に相談するのをおすすめします。
もし仕事のストレスが強い場合、就労支援などを利用して、無理せず働ける環境に身を置くのも検討してみてください。
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