軽度知的障害の方は日常生活では問題になることが少ないので、給料が安い障害者枠でなく一般枠でも大丈夫ではと思われる場合があります。
一般枠での就労は健常者と同じレベルで働く必要があるので、自分にあった仕事を選ばないと不適応を起こして離職してしまうケースが少なくないので注意が必要です。
軽度知的障害の方が仕事を継続させるには、周囲のサポートや配慮が合ったほうが望ましいです。
この記事では、軽度知的障害者が一般就労・障害者枠それぞれで働くメリット・デメリットと、仕事選びのポイントを解説していきます。
※知的障害は「知的能力障害」という診断名に変更されましたが、この記事では一般的に用いられている「知的障害」という表現を使用します。
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一般枠と障害者枠の働きかたの違い
障害を持つ方が一般企業に就職する場合、一般枠と障害者枠のどちらかを選択することになります。この項目では具体的にそれぞれの働き方の違いについて解説します。
一般枠のメリット
一般枠で働く場合、健常者と同様の条件で雇用されます。
最大のメリットは給料面で、障害者枠と比較して条件が良い場合が多いです。
障害者であることを知られたくない場合、障害者枠では働くことができないので、一般枠で隠して(クローズ)で就職することになります。
障害者枠よりもはるかに求人数が多いので、やりたい仕事がある・キャリアアップを望む方は一般枠の方が希望が叶いやすいです。
一般枠のデメリット
最大のデメリットは、職場から障害への特別な配慮が期待できないことです。
一般枠だと健常者と同じ条件で働いているので、障害があったとしても健常者と同じ仕事のクオリティを求められるのが一般的です。
自分にとって難しい業務であったとしても、状況によっては一般枠だと障害や病気を理由に断ることは難しい場合もあります。
クローズで就職した場合は病気や障害がバレないように働くストレスから、不適応を起こしたり体調を崩す方もいます。
障害や病気で通院や治療が必要な場合でも、一般枠だと休みを取るにも周囲に気を遣わなくてはならない場合も多くなるでしょう。
病気や障害で仕事が思うようにできないと他の職員に負担がかかるので、不満を抱かれて陰口を叩かれ職場で孤立してしまう場合も少なくありません。
障害者枠のメリット
障害者枠は障害があることを前提とした雇用枠で、障害者雇用促進法に基づく様々な優遇措置を受けることができます。
具体的には以下のメリットがあります。
- 障害に理解のある職場であることが多い
- 雇用形態を柔軟に選べる場合もある
- 通院や治療が必要な場合でも、周りに気遣うことなく時間の確保ができる
- 障害の特性に対する配慮や支援が受けられる
障害をオープンにして働けて法律に基づく優遇措置が受けられるので、一般枠より定着率が高いのがメリットです。
障害者枠のデメリット
障害者枠は障害者手帳がないと応募できず、本人の障害の種類や程度といった個人情報を職場に開示しなくてはなりません。
障害者として職場に認知されるので、周囲から障害者と思われているのが気になってしまう方も中にはいます。
給与面も障害特性に配慮されている仕事内容になっている分、一般枠よりは安い傾向があります。
一般枠に比べると求人も少ないので、自分の特性に合っている・通勤しやすい職場を探すのが大変な場合も多いです。
障害者枠での就労は仕事探しが大変な傾向にあるので、障害者の就労支援の専門家に相談するのがおすすめです。
軽度知的障害者の就職活動のポイント
軽度知的障害者が就職活動する際には、いくつか注意すべき点を押さえると失敗しづらいです。以下に詳しく解説します。
自分の得意・不得意を知っておく
軽度知的障害者は、適性に合った職種ならば十分に働くことができます。
自分に向いてる仕事を探すには、自分自身が「何が得意で、苦手で避けたい仕事は何か」を知っておくのが重要です。
職場に自分の障害特性とともに得意・不得意は何かを伝えておくと、職場からの適切な支援を受けやすく、結果仕事が長続きしやすくなります。
不得意な業務内容が多い業務や仕事は、健常者以上に軽度知的障害者だと適応に時間や労力を必要とします。
自分自身の得意・不得意を見極め、不得意な内容が多い仕事は過剰な負荷がかかってしまうので避けるようにしましょう。
「長続きできるか」の視点を持つ
軽度知的障害者が働く時に仕事が続かないと悩む人は多く、離職を繰り返さない為にも「長続きできる」仕事を選ぶようにしましょう。
採用される前に職場見学などで職場の雰囲気を掴んだり、質問をしたりして無理せず働けそうかどうかを判断するようにします。
一般枠で就労しすぐに離職を繰り返す場合、自分の能力より高すぎる仕事ばかりを選んでしまっている可能性もあります。
一般枠にこだわりすぎず、最初は障害者枠で仕事に馴れてから一般枠にステップアップするのも自信がつくのでおすすめです。
見落としがちなのが手続き面です。必ず雇用契約にサインする前に、社会保険や労働条件について充分確認するようにしてください。
自分自身で全て理解するのが難しい場合もありますので、身内の人や就労支援の相談員、社会保険労務士などに相談するようにしましょう。
仕事を長続きさせるためには、無理なく働ける仕事内容・雇用条件かどうかが重要になります。
障害者向けの就労支援を利用する
軽度知的障害者が就職活動をする際には、就労支援を利用するのがおすすめです。
軽度知的障害者の方の中には、上の項目で紹介した「得意不得意を知る」「長続きできるかの視点を持つ」のが自分では難しい場合も多いです。
就労支援を利用すれば一緒に自分に合った仕事を考えて求人を紹介してくれたり、面接などのサポートもしてくれます。
就労支援では就労体験や職場実習などを通して、仕事に必要な技能やマナーなどを修得することが可能です。
法律面や雇用条件など理解するのが難しい部分があったときに相談することで、自分にとって不利益になる条件を回避することができます。
働き始めた後に出てくる様々な困りごとに対しても、就労支援なら職場でのトラブルの解決や労働条件の相談など、仕事の定着へのサポートを受けることができます。
軽度知的障害ゆえの就職へのハンデを減らすために、就労支援を受けることがおすすめです。
軽度知的障害者の仕事選びは支援を受けるのがおすすめ
軽度知的障害者は、自分の適性にあった仕事かつ支援を受けられる職場環境であれば、長く働き続けることが可能です。
障害ゆえに難しい内容を理解することが難しいので、就職活動の際に様々な困難さを感じたり、就職しても仕事が続かないと悩む方が少なくありません。
自分の障害特性を職場に理解してもらい得意を活かして働きたい・一般就労が長続きしない場合は、障害者枠での雇用を視野に入れることをおすすめします。
障害者枠には様々なメリットがありますが、採用枠が少なく仕事選びが大変な傾向があります。
障害者枠で仕事を探したい・就職全般の支援を受けたい軽度知的障害者の方は、就労支援を受けることがおすすめです。
働くのに必要なスキルの獲得・就職全般の相談・就職した後も職場での困りごとへのサポートなど、就労支援で受けられる内容は幅広くメリットが大きいです。
得意を活かして働きたいと考えている軽度知的障害者の方は、ケイエスガードにぜひお問い合わせください。
ケイエスガードは川崎駅徒歩8分のところにある就労支援・就労継続支援B型事業所です。
「初歩から学ぶ!」「楽しく働く!」をモットーに、利用者一人一人が自分が好きになれるような就労支援を行っています。
無料相談会も随時行っていますので、お気軽にご相談ください。