知的障がいを持つ方の中には就職に困っている方もいるでしょう。
この記事では、知的障がい者のための就労支援を紹介。知的障がいの雇用やおすすめの業界についても解説しています。
知的障がいの方は一般就労者と比べるとどうしてもハンディキャップがあります。
一般就労者が当然のようにできることも、知的障がいを持つ方には厳しいことも珍しくありません。
一般就労者との違いから、知的障がいを持つ方の中には就職に苦労する方もいるでしょう。
そのまま一人で行動し続けるのも得策とは言えません。
就職に悩む知的障がい者におすすめなのが、知的障がいの方の就労支援です。
就労支援を利用することで、現状の打開を期待できます。
ただ、知的障がいの方の就労支援についてよく知らない方もいるでしょう。
そこで知的障がいの方の就労支援の特徴を紹介します。知的障がいの方の雇用やおすすめの業界についても取り上げているので参考にしてください。
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知的障がいの方の就労支援とは?
知的障がいの方の就労支援とは、知的障がいを持った人の一般就労を支援する福祉サポートです。
18歳以上65歳未満の方に利用資格があります。
※就労継続支援B型では年齢制限がなく工賃をもらいながら作業が可能です。
就労支援では、知的障がいの弱点を対処する方法を学んだり、就職に必要な知識やスキルを身に付けたりすることが可能です。
たとえば、知的障がいを持つ人の特徴の一つにコミュニケーションが苦手というものがあります。
コミュニケーションが円滑でないとチーム制の仕事がスムーズに行えません。それどころか、面接の段階で苦労するでしょう。
知的障がいの方の就労支援では、コミュニケーションの訓練を行えます。
1対1はもちろん、グループワークや議論など徹底的に鍛えることが可能です。結果的に、コミュニケーション能力の向上が期待できます。
このように知的障がいの方の就労支援は、苦手分野を克服しつつ、就職活動の準備もサポートしてもらえるのが特徴です。
知的障がいの方の雇用について
知的障がいの方の雇用はあまり良い環境とは言えません。「令和2年 障がい者雇用状況の集計結果」を見ると、民間企業の障がい者雇用は578,292人でした。障がい者雇用の内訳を見ると以下の通りです。
障がい名 | 人数 |
身体障がい | 356,069 |
知的障がい | 134,207 |
精神障がい | 88,016 |
障がい別に見ると、身体障がい者の割合が圧倒的に多いです。
次いで知的障がいの雇用数が多いですが、全体的な雇用数と比較すると4分の1程度しかありません。
そこまで優れた数字ではないので、知的障がい者の雇用状況は良いとは言えないでしょう。
また、企業の規模別に見ると規模が大きくなるにつれて、障がい者の雇用数も増える傾向にあります。以下のデータは「令和2年 障がい者雇用状況の集計結果」によるものです。
従業員数 | 障がい者雇用数 |
45.5~100人未満 | 58,350人 |
100~300人未満 | 113,199人 |
300~500人未満 | 50,824.5人 |
500~1,000人未満 | 66,588人 |
1,000人以上 | 289,330人 |
会社の規模が大きくなるほど雇用数が増えているのは、障がい者雇用率制度があるからです。
障がい者雇用率制度には従業員数が増えるほど、障がい者を雇うことが義務とされています。
大企業になると数十~数百人の障がい者を雇う必要があります。
障がい者雇用率制度のおかげで、大企業は障がい者を求めている可能性が高いです。
知的障がいを持つ方で就職できない場合は、大企業への就職を目指すのも一つの手段と言えます。
知的障がいの方の就職先としておすすめの業界
知的障がいの方は判断要素が薄い仕事であれば、本来の能力を発揮できる傾向にあります。たとえば、単純作業や反復作業はおすすめです。
では、具体的に知的障がいの方におすすめの業界を3つ紹介します。
軽作業系の工場
ラインでの軽作業を仕事とする工場は、知的障がいを持つ方でも問題なく働けます。
ライン業務は基本的に同じことの繰り返しです。そのうえ作業自体も複雑性はありません。
頭を使わずに働けるので、知的障がいの方にはぴったりです。
ただ、軽作業系の工場は作業内容がほとんど変わりません。
飽きやすいデメリットがあるので、人によっては厳しく感じます。
また、工場を仕事先として選ぶ際には、どこまでが仕事内容なのか確認しておきましょう。
会社によっては、複雑な仕事も任される可能性があります。自分の能力を超えた仕事を任されそうなときは辞退しましょう。
清掃業務
清掃業務も基本的にそこまで複雑な仕事は行いません。最初は覚えることが多いかもしれませんが、一度慣れると反復作業になるので働きやすいです。
また、清掃業務は達成感も味わえます。汚れた場所が自分の手によってきれいになっていく様子は気持ち良いものです。
ただ、汚れている場所を清掃する以上、体が汚れます。潔癖症の傾向がある方には厳しいでしょう。
事務
事務作業は体力面の負担が少ないことから、知的障がいの方にもおすすめです。電話対応やデータ入力など仕事内容が多岐にわたります。日々異なる展開を見せるので、飽きづらいのがメリットです。
しかし、会社によっては事務作業の仕事内容が増えます。キャパシティ超えの仕事を任される可能性もあるので、仕事内容はよく確認しておきましょう。
知的障がいでお困りの方は就労支援へ
知的障がいの方の就労支援やおすすめの業界を紹介してきました。
知的障がいの方には単純作業系の仕事が向いています。
しかし、同じ知的障がいでも、人によって症状は異なります。自分の障がいについて理解を深めたい方は、就労支援を利用してみると良いでしょう。
知的障害の方が障害に向き合いながら働く方法についても紹介していますので、ぜひご覧ください。