引きこもりになる原因は人それぞれです。そのため、「家族を引きこもりから復帰させたい」「自分自身が引きこもりから解放されたい」と考える場合は、まずは原因を整理してみましょう。
原因を整理すると、対策や解決方法も考えやすいのではないでしょうか。この記事では、引きこもりの原因について詳しく解説します。
引きこもりになる原因
引きこもりになる原因は、以下の事項が考えられます。
- 親の子どもへのかかわり方
- 対人関係への悩み
- 不登校
- 就職の失敗
- ゲームやインターネット依存
- 精神疾患
- 仕事の挫折
- 受験の失敗
各項目について詳しく解説します。
親の子どもへのかかわり方
子どもが引きこもりになった場合、その子どもの親には2つの傾向があるといわれます。
- 子どもの性格や能力、行動に対して不満を口にすることが多い
- 子どもの話を聞かずに、一方的に指示をしたり、説教をしたりする
子どものことに対して不満を言うと、子どもが自分のことをダメな人間と感じてしまい、自己肯定感が低くなります。社会で生きていく自信を無くし、引きこもりになるのかもしれません。
一方的な指示や説教は、子どもが自分の話したくなくなり、親子で会話ができなくなります。子どもも、主体的になにもできないことで無力感を感じ、引きこもりやすくなります。
対人関係への悩み
いじめや仲間外れ、職場の上司によるパワハラなど対人関係の悩みが引きこもりの原因となることも多いです。アドラー心理学をもとに書かれたベストセラー「嫌われる勇気」には、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と記されています。
つまり、悩みの中でも対人関係は大きなウェイトを占めるのです。対人関係で悩みを抱え、ストレスが蓄積されて人と関わることを拒むようになり、引きこもるようになります。
不登校
子どもが学校に行かなくなり、そのまま引きこもることもあります。勉強についていけなかったり、友達にいじめられたりして引きこもるのです。
または先生と合わなかった、先生が怖かったなど、引きこもりの原因が先生に起因する場合もあります。
その一方で、何がきっかけで不登校になったのか自分でもよくわからないケースもあります。親が無理やり学校に行かせようとすると、子どもの精神的に負担になり、状況が悪化することもあるため注意が必要です。
就職の失敗
就職の失敗が原因で、引きこもりになることもあります。就職自体が叶わなかったり、就職できたとしても希望通りの企業に就職できなかったりすると心理的な負担を抱えます。
とくに、1993年~2005年にかけての就職氷河期の時代には就職に失敗した人が、とくに多い時期です。
高校や大学を卒業したら、就労以外の選択が認められない環境下に置かれると、就職で失敗したことをよくないことと考え、強い挫折感を味わってしまいます。
ゲームやインターネット依存
家でゲームやインターネットをして過ごすことに快感を覚えて、依存して引きこもりになることがあります。
近年はゲームやインターネットを通して、家に居ながら外部の人と簡単にコミュニケーションがとれる時代です。インターネットでつながれる仮想空間やコミュニティで、人間関係が構築されてしまい、ますますゲームから離れられなくなる場合もあります。
ゲーム依存にある引きこもりが、社会復帰する方法は次の記事を参考にしてください。
精神疾患
精神疾患が原因の引きこもりには、引きこもりになる前に精神疾患にかかる場合と、引きこもり中に精神疾患を発症する場合が考えられます。引きこもりに関連する精神疾患は次のとおりです。
- 統合失調症
- 強迫性障がい
- うつ病
- 社会不安障害
他にも発達障害やパーソナリティ障害などが引きこもりの原因となることもあります。発達障害とは、生まれつきの脳の働きによって、行動面や情緒面に特徴が現れる状態です。
パーソナリティ障害とは、多くの人とは異なる反応や行動をして、本人が苦しんだり悩んだりすることを指します。精神疾患が原因の場合は、精神科医に相談して治療を受けた方がよいでしょう。
仕事の挫折
仕事の挫折が原因で引きこもりになる人も多いです。内閣府の調査によると、40~64歳の中高年がひきこもりになったきっかけは退職が最も多い結果でした。また15~39歳の若年層は、職場になじめなかったことが不登校と同数で、ひきこもりのきっかけとなっていました。(参考:長期化するひきこもりの実態|内閣府)
たとえば長時間労働や不規則な業務で心身に負担がかかって、退職を余儀なくされることがあります。
受験の失敗
受験の失敗で挫折感を味わったり、自信を失ったりして引きこもりになることがあります。中高生の多感な時期に劣等感を感じてしまい、ネガティブな感情を抱いてしまうと外部との関わりを絶ちたくなるのです。
人生経験が浅く、挫折を経験していないため、受験の失敗に対して大きなショックを受けます。
中高年の引きこもりの原因や特徴
中高年は仕事が引きこもりのきっかけとなることが多いです。内閣府の調査でも退職したことがひきこもりのきっかけとなったとの回答が最い結果でした。中高年の引きこもりは、8050問題や9060問題などにつながる恐れもあるため、注意が必要です。
8050問題への対策方法については、次の記事を参考にしてください。
女性の引きこもりの原因や特徴
女性は男性よりも精神疾患にかかりやすい点が特徴です。女性は男性よりも2倍精神疾患にかかりやすいとの報告もあります。
また主婦の引きこもりや家事手伝いの引きこもりなどで、表面化しにくい特徴もあります。さらに中高年以降になると、更年期障害が引きこもりのきっかけになることも。
女性の引きこもりの原因や特徴については、次の記事を参考にしてください。
引きこもりから脱出する方法
引きこもりから脱出するためには、まずは生活のリズムを整えて昼間でも仕事をしたり、出かけたりできるようにするとよいでしょう。
毎日、着替えるようにして社会生活に馴染めるように努めることをおすすめします。在宅ワークで仕事してみたり、就労を支援してくれる施設に相談してみたりなどして少しずつ行動を起こすことが大切です。
下記の記事では引きこもりを脱出する方法について詳しく解説していますので、参考にしてください。
引きこもりになる原因は多種多様!専門家に相談して克服しよう
引きこもりになる原因は、不登校や就職の失敗、人間関係など多様です。個々人で解決方法も異なるため、原因を洗い出して適切な対策を講じる必要があるでしょう。
もし精神疾患を患っている場合は、まずは医師に相談して精神疾患の治療をはじめることが大切です。
また就労継続支援なども利用すると、引きこもりを脱出して仕事をはじめるためのアドバイスを受けられます。ケイエスガードでは引きこもりの方の社会復帰をサポートしていますので、どうぞご相談ください。