最近、新入社員の中に「六月病」に悩まされる方が増えているのをご存じでしょうか?
六月病は正式な病気の名前ではなく、適応障害の一種とされています。
「五月病」との違いや、六月病がなぜ問題なのか疑問に思われる方もいるかもしれません。
本記事では六月病が仕事や私生活に与える影響、予防法についてご紹介します。
六月病は疲労やストレスを我慢して発症することから、五月病より悪化しやすいのが特徴です。
本記事を読めば六月病に注意したほうが良い理由と、こころの健康を守るための方法を理解できます。
新入社員に多い六月病とは
六月病は、新人研修を終え本格的に配属先で勤務し始めた新入社員に多いのが特徴です。
慣れない環境でのストレスや疲労が蓄積し、こころや身体に不調をきたします。
本項目では、六月病とその原因について解説します。
六月病は適応障害の一種
六月病とは正式な医学用語ではなく、適応障害の一種のことです。
適応障害とは耐えがたいストレス源が原因で、生活に支障をきたす状態です。
症状は不安や不眠など多彩で、個人差も大きい特徴があります。
人によっては、すぐカッとなったり無断欠勤したりなど、普段と違う行動がみられるケースもあります。
放置すると慢性化したり、うつ病に移行したりするケースもあるため、一時的な不適応と思い込むのは危険です。
六月病が起こる原因
六月病は、まじめで頑張り屋な性格の新入社員に多い特徴があります。
新しい環境に慣れようと頑張ることで、知らず知らずにストレスや疲労をため込んでしまうためです。
最初のうちは無我夢中なので、多少疲れていても頑張れるかもしれません。
しかし2か月経過した6月頃には限界を迎えるケースが多く、六月病になってしまいます。
新入社員以外にも、異動や昇進によって六月病になるケースもあります。
六月病のよくある症状
六月病は、こころと身体双方に影響をもたらすのが特徴です。
また、症状のあらわれ方や重症度などには個人差が大きいです。
本項目では、こころと身体にみられる症状についてご紹介します。
ご自身にあてはまる内容が多い場合、六月病を疑ってみるのをおすすめします。
こころの不調
六月病によくある、こころの不調は下記のとおりです。
- 夜眠れない
- やる気が出ない
- 気持ちが落ち着かない
- すぐにイライラする
- 無断欠勤・遅刻が増える
- 注意力散漫になる
- 判断力が落ちる
- 無気力になる
六月病が原因で仕事に集中できなくなり、ミスの増加やパフォーマンスの低下をきたす場合もあります。
失敗による自責感や周囲からの叱責により、ますます六月病を悪化させてしまう場合も少なくありません。
身体の不調
一方で身体の不調で多いのは、下記の症状になります。
- めまい
- 頭痛
- 便秘や下痢
- 食欲不振または過食
- 疲れが取れない
- 吐き気
- 動悸
六月病であらわれる症状は一定でなく、複数みられる場合も多いです。
身体の症状がみられる時は、内科や耳鼻科など症状に合わせた診療科をまず受診するのをおすすめします。
六月病と五月病の違いは?
六月病と五月病はどちらも適応障害の一種であり、症状も類似しています。
五月病の場合は学生にも多くみられ、比較的すみやかに改善するケースが多いです。
一方で、六月病の方がストレスを我慢している期間が長くなるため、より重症化しやすいといえます。
どちらも症状は似ているものの、六月病の方がより回復に時間を要しやすいのです。
六月病が与える影響
もし六月病になってしまったら、生活や仕事にどのような影響があるのでしょうか。
自分自身だけではなく、まわりの人への影響も大きいのが六月病です。
具体的に六月病が与える影響について、くわしく解説します。
自分自身に与える影響
六月病による食欲不振やめまいなどの症状により、活動性が落ちやすくなります。
また、自分自身や将来への不安が強くなることで、より無理をしてしまうことも少なくありません。
悪化すると引きこもり状態になり、仕事に行けなくなる場合もあります。
仕事や人間関係に起こりやすい影響
社内で六月病が悪化して休職や離職する人がでると、周囲の負担は増えることになります。
新入社員は職場の人間関係にも慣れていない時期のため、個人で悩みを抱え込んでしまいやすいです。
また、イライラして周囲に当たり散らしたり、約束をドタキャンしたりすることが続くと、人間関係を損ねるリスクもあります。
六月病は本人だけではなく周囲にも影響が大きいため、不調を早めにキャッチできる環境が重要です。
六月病を防ぐには
六月病を防ぐためには、ストレスや疲労を適切に解消する生活習慣が大切です。
今すぐできる、六月病の予防方法を解説します。
不規則な生活を避ける
六月病を防ぐには、睡眠不足や不規則な生活を避けるようにしましょう。
新しい環境に飛び込むのは、想像以上に疲れるものです。
若く体力があるので大丈夫と思いがちですが、睡眠や休息時間は削らないのをおすすめします。
学生時代と違い、体調管理も社会人の必須スキルといえるでしょう。
メリハリのある働き方をする
オンオフの切り替えを意識し、休むことも仕事のうちだと思うことも大切です。
六月病は、まじめで一生懸命な方に多いといわれています。
まじめな性格だと仕事に早く慣れなくてはと思いすぎて、つい休むのをおろそかにしがちです。
休みの日まで仕事のことを考えたり勉強したりするのは、程々にするのをおすすめします。
ストレスを発散する方法を見つける
趣味や適切なストレス発散方法を見つけておくのも、六月病の予防になります。
残念ながら、ストレス自体を全くなくすのは難しいものです。
ストレスを適度に発散し受け流す方法を身に付けることで、こころの健康を保ちやすくなります。
ストレス発散方法はご自身に合ったもので構いませんが、過度なお酒やギャンブルなどは避けるようにしてください。
健康のことを考えると、適度に身体を動かす趣味をおすすめします。
六月病になってしまったら?
もし六月病になってしまったら、悪化する前に対処することが重要です。
本項目では、六月病の具体的な対処法を解説します。
生活リズムを整える
生活リズムをなるべく規則的にし、疲れをためないように意識してください。
生活リズムが崩れてしまうと、精神的に不安定になりやすいものです。
また、忙しいと食事が偏りがちなので、栄養バランスを意識するのも大切です。
休息を取る時間を増やし、できる範囲で規則正しい生活を意識すると良いでしょう。
適度な運動を行う
適度な運動により血流が良くなり、集中力を回復させる効果も期待できます。
ほどよく汗をかくと気持ちもリフレッシュでき、ストレス発散にもなります。
運動の時間を取れなくても通勤時に長めに歩いたり、少し遠いところへ買い物に行くといった方法でも大丈夫です。
できれば、家族や仲間と一緒に運動するのをおすすめします。
コミュニケーションの機会も増えるため、よりストレス発散に効果的です。
質の良い睡眠をとる
質の良い睡眠は、こころの健康を守るのに非常に重要です。
寝た気にならない・疲れが取れないといった場合、睡眠の質に問題があるかもしれません。
よく眠れない状態が続く場合、専門家に相談するのをおすすめします。
専門家に相談する
活動と睡眠のバランスを調整しても良くならない場合、専門家に相談するのをおすすめします。
六月病の場合、不調になるまで我慢を繰り返しているケースが多いです。
なるべく早めに受診し適切な治療を受けることで、つらい思いをする期間が短くなります。
こころも身体も専門的に診察できる、心療内科の受診をおすすめします。
まとめ:六月病の症状がつらい時は専門家に相談を!
六月病は、研修を終え配属先での勤務が本格化した新入社員に多くみられる、適応障害の一種です。
まじめで一生懸命な人に多く、こころや身体にさまざまな症状が出現し生活や仕事に悪影響がでます。
こころの不調には「やる気が出ない」「イライラしやすい」などがあり、身体の不調には「頭痛」「めまい」などがあります。
五月病よりも我慢している期間が長いぶん、慢性化やうつ病に移行するリスクが高いのも特徴です。
予防するには規則正しい生活を送り、ストレスを適切に発散することが重要です。
もし不調に悩んでいたら意識的に睡眠や休息を取り、改善しない場合は専門家に相談するのをおすすめします。
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適応障害を専門的に診察できる、心療内科や精神科の紹介も可能です。
ご本人やまわりの人が六月病と思わしき症状で苦しんでいる場合、ぜひお気軽にご相談ください。