双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患の一つです。
激しい躁状態とうつ状態を繰り返すⅠ型と、躁状態が軽く(軽躁状態)うつ状態の期間が長いⅡ型に分かれています。
双極性障害は病状の変化で別人のようになるため、仕事が安定せず休職や転職を繰り返す人も少なくありません。
今回は双極性障害の方で仕事が続かない原因と、就労支援を受けるメリットについて解説します。
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双極性障害Ⅰ型で仕事が続かない原因
双極性障害Ⅰ型は、躁状態の激しさが原因で仕事が続かないケースが多いです。
躁状態の時は話や行動にまとまりがなく、怒りっぽく独断的になり仕事に多大な支障をきたします。
具体的には一方的に高圧的な指示を出して周囲と衝突が絶えなくなる、昼夜を問わず電話をかけまくるなどの状態をきたして周囲を疲弊させてしまいます。
躁状態の時は病識がなく説得は効果が薄いので、Ⅰ型の躁状態は医療的な介入が必要なケースが多いです。
躁状態の時の振る舞いで社会的な信用を失ってしまうことで、仕事が長続きしないのです。
双極性障害Ⅱ型で仕事が続かない原因
双極性障害Ⅱ型はⅠ型と異なり躁状態による影響は少ないですが、うつ状態により仕事に支障をきたす場合が多いです。
双極性障害Ⅱ型の躁状態はハイテンションでエネルギッシュになるレベルなので、逆に仕事の効率が上がる場合もあります。
問題なのは躁状態の反動で、うつ状態に転じることです。
Ⅱ型はうつ状態の期間がⅠ型より長く、頭が働かない・動きが鈍くなるといった症状が現れます。
病状が進行すると働くこと自体が困難となり、休職や離職をしてしまうケースが多いのです。
双極性障害の方におすすめの仕事
双極性障害の方が継続して就労するには、仕事内容とともに職場環境も重要です。ここでは双極性障害の方におすすめの仕事内容・環境を紹介します。
変化が少ない
双極性障害の方は気分の波をなるべく少なくするために、変化が少ない仕事を選ぶことをおすすめします。
変化が少ない仕事がおすすめな理由は、躁状態の時に次々と仕事を受けてしまう状況を避けるためです。
躁状態の時は疲労を感じないのですが、うつに転じた時に反動が大きくなりやすいのが問題になります。
仕事量や負荷に変化が少ない仕事の方が、病状の変化が抑えられ変化にも対応しやすいです。
対人業務が少ない
双極性障害の方は対人関係によるストレスに弱いので、対人業務が多い仕事は避けた方が良いです。
対人関係によるストレスや刺激は、気分の波を招いて病状の悪化につながります。
対人業務が多い業務は勤務が不規則な場合が多く、生活リズムの乱れが病状に悪影響となる双極性障害の方には不向きです。
躁状態の時の振る舞いで対人関係のトラブルを起こすリスクを避ける意味でも、対人業務が多い業種は避けた方が良いです。
マイペースに仕事ができる
マイペースに仕事量の調整ができる仕事環境は、双極性障害の方に特におすすめです。
双極性障害の方は疲れやすい特徴があるので、体調に応じて勤務の調整がきくと無理せず働くことができます。
注意点として、躁状態の時は仕事量の調節が難しくなるので、サポートしてくれる人が必要になります。
マイペースに仕事ができるようサポートしてもらえる環境で働くことで、仕事が長続きしやすくなります。
双極性障害の方が避けた方がよい仕事
双極性障害は気分の波を悪化させる業務や環境は避けることが望ましいです。
ここでは、具体的に避けた方がよい仕事内容や環境をお伝えします。
営業職などノルマがある
ノルマがあり、顧客相手に気分を上げて対応する必要がある仕事は避けることをおすすめします。
気分の波を招く状況は避けるのが、病状の安定には望ましいためです。
ノルマがあると達成するまで勤務時間や仕事量を増やす必要があり、生活リズムも乱れやすいことも不向きな理由です。
営業職は営業成績での競争も多いので気分が乱れやすく、対人ストレスも激しいので双極性障害の方に不向きな仕事の代表といえます。
不規則・残業が多い
不規則な勤務や残業が多いと、生活リズムの乱れが起こりやすく病状に悪影響を及ぼすので避けた方が良いです。
双極性障害は生活リズムの乱れ、特に睡眠不足が病状に悪影響を及ぼす病気です。
なるべく生活リズムの乱れを引き起こす要因は減らすことが望ましいといえます。
人と関わることが多い
双極性障害は対人ストレスに弱く病状が対人関係に影響しやすいので、人と多く関わる仕事は避けた方が良いです。
躁状態の時は気が大きくなり失礼な言動や振る舞いをしやすく、対人トラブルのリスクが高まっています。
一方うつ状態の時は頭がうまく働かず、口数も少なく表情も乏しくなるので対人関係の負担が大きいです。
本人にとっても周囲にとっても、対人業務は負担やストレスが大きいので避けた方が良いです。
復職・再就職の際に就労支援を受けるメリット5選
仕事が長続きせず休職や転職を繰り返す双極性障害の方には、就労支援がおすすめです。
就労支援とは、一言で言うと障害を持ちながら継続して働く支援をしてくれる場所となっています。
ここでは、就労支援を受けるメリットを5つ紹介します。
就労までの計画を一緒に立ててもらえる
双極性障害といっても病状や能力など人それぞれなので、個々に合った就労支援を受けることで就労の継続を目指しやすくなります。
1人で考えるより専門知識のあるスタッフのサポートを受けた方が、より効果的な計画を立てることができます。
体調に合わせた計画の修正や、就職活動のタイミングもみてもらうことができるので安心です。
就労に向けた活動のスタート時点からサポートしてもらえるのも、就労支援のメリットです。
自分の強みを知って就労に活かせる
就労支援を受けることで自分の強みや適性がわかり、自分に合った仕事を見つけやすくなります。
強みを知って伸ばすことで、自分にとって負担が少なく活躍しやすい仕事を選ぶことができるようになります。
就労支援を受けることで、今まで知らなかった自分の強みを見つけることができるかもしれません。
安定した就労に必要なスキルが習得できる
パソコン操作などの実務能力や体調管理の方法など、安定した就労に必要なスキルを就労支援で身に着けることができます。
特に、ストレスコントロールや障害の理解と付き合い方を習得できるメリットは大きいです。
双極性障害の方は、躁状態になると周囲のアドバイスに耳を傾けることが難しいです。
安定した就労を目指すには、自分の不調のサインを理解し周囲に伝えるスキルがとても大切になります。
不調のサインをあらかじめ知っておくことで、早期に休息や受診などの行動に繋げやすくなるためです。
体力向上・生活リズムを整えることができる
就労支援の利用で体調に合わせて無理なく活動をすることで、生活リズムを整えることができるメリットがあります。
いきなりの就労は休職や離職のリスクが高いので、就労支援で徐々に慣らした方が良いです。
日中の適度な活動は、崩れやすい生活リズムの安定も期待できます。
療養後の就労が不安な場合は、就労支援でサポートしてもらうのをおすすめします。
就労後も就労が定着するようにサポートしてもらえる
就労後も継続してサポートが受けられるのも、就労支援を受けるメリットです。
就労支援を受けていれば、就労後もスタッフに不安や悩みを相談することができます。
双極性障害の方が安定した就労を目指すには、周囲を適切に頼ることが大切です。
就労支援のスタッフが継続してサポートすることで、安定した就労を目指すことができます。
双極性障害の方の就労は環境が重要、就労支援の利用で安定した就労を目指す
双極性障害の方は躁状態・うつ状態それぞれで、就労が困難な理由が異なる特徴があります。
休職や転職を繰り返さないためには、不調のサインを知って再発に早期に気付けること、周囲の適切なサポートを受けることが重要です。
就労支援を受けることで、強みや得意を活かした仕事探しなど継続したサポートを受けられるメリットがあります。
就労支援は公的補助の対象で金銭的負担もないので、安定した就労を目指す双極性障害の方は利用を検討してみてください。
ケイエスガードは、川崎駅から徒歩8分の就労移行支援・就労継続支援B型事業所です。
私たちは、「初歩から学ぶ!」「楽しく働く!」をモットーに、自分を好きになる為の障害者就労支援を行っております。
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