「いつまで経っても仕事に慣れない」
「職場で浮いている気がする」
いつの時代も職場の人間関係や、業務に馴染めないことで悩む人は多いものです。
職場に馴染めない原因は全て自分のせいだと思ったり、逆に職場が全部悪いと考えていたりしませんか。
本記事では職場に馴染めない原因やリスク、対処法について解説します。
そもそも職場に馴染めないのは、自分自身と職場環境どちらにも原因があるものです。
自分自身に原因がある場合は、態度やコミュニケーションなどの工夫で改善する可能性があります。
しかし職場環境が原因の場合、無理して馴染もうとすると心身の不調をまねく可能性もあるため要注意です。
本記事を読めば職場に馴染めない原因が分かり、孤立し居場所のない苦しさを改善しやすくなります。
職場に馴染めない:自分自身の原因
はじめに、職場に馴染めない理由が自分自身の対応や適性によるケースをご紹介します。
自分の態度や振る舞いを意識すれば解決できることも多いため、ぜひ確認してみてください。
入職・異動直後
入社や異動直後に職場に馴染めるか不安を抱くのは、自然な感情といえます。
最初はなにもかも不安で、うまくコミュニケーションをとる余裕もないことが多いものです。
また、職場のルールや慣習にうまく馴染めず、違和感を覚えることもあるでしょう。
職場環境に問題がなければ、仕事に余裕が出てくるにつれて自然に馴染めるようになるものです。
人見知り・口下手
人と話すのが苦手で感受性が強いことにより、職場に馴染めないこともあります。
自分の発言が相手に嫌な気持ちを与えないか不安で、緊張してうまく話せなくなる人は少なくないからです。
また、積極的に話しかけるのが苦手だと、話しかけられるのを待つことも多くなります。
結果として、まわりから取っつきにくいと思われ馴染めなくなってしまうのです。
馴染めないことを気にするあまり、自分を責めてしまう方も多くいます。
この場合、仕事上の会話はできても、普段の雑談になると話せないという方も多いです。
愚痴や文句が多い
上司や同僚、職場環境などに不満を抱いていて、つい愚痴や文句を言ってはいませんか。
愚痴や文句は職場の雰囲気を悪くし、相手にストレスを与えるものです。
一時的に盛り上がることはあるかもしれませんが、愚痴や文句が続くと聴いている側は疲れてしまいます。
特に中途採用の方は、前職で学んだルールや経験から判断しがちな点には要注意です。
建設的な内容ならよいのですが、否定に偏ると反感を買ってしまいかねません。
愚痴や文句などマイナスの話ばかりしていると、自然とまわりに人がいなくなるので注意しましょう。
仕事のレベルが高すぎる・低すぎる
スキルや適性にマッチしない仕事や職場環境であることも、馴染めない理由のひとつです。
仕事を覚えきれない・ミスが続くと自信をなくし、職場に居づらさを感じてしまいます。
まわりからの目が気になって、相談もできず孤立してしまうことも少なくありません。
逆に能力が高すぎるゆえに、自然に周囲との壁を作ってしまうパターンもあります。
職場に馴染めない:環境による原因
職場に馴染めないと感じた場合、環境の影響も考慮する必要があります。
ハラスメントが横行している・新入りを拒絶するなど、明らかに劣悪な職場も存在するためです。
下記の原因に当てはまる場合は、馴染めない原因は自分のせいではない可能性が高いといえます。
部署内に派閥がある
部署内に派閥があり、居心地の悪さから馴染めないこともあります。
派閥により人間関係が複雑になりやすく、派閥同士の争いに巻き込まれると面倒なものです。
入職当初は親切だった人が裏で陰口を叩いていたり、突然冷たくなったりして困惑するといった巻き込まれ方をしがちです。
派閥のある職場はなにかと面倒事が多く、仕事の成果も挙げにくく成長しにくい環境といえます。
いじめ・パワハラが横行している
残念ながら、いじめやパワハラが横行している職場はいまだに存在します。
新卒や中途に対して素っ気ない人は、どの職場にも1人や2人は存在するものです。
しかし、全体的に雰囲気が冷たく教えてもらう環境も整っていない場合、職場自体に問題があります。
この場合は馴染もうと努力するとストレスをためる一方になるため、環境自体を変えるのが望ましいです。
職場でうまく馴染むための対策5選
職場でうまく馴染むことは、長く働き続けるには重要といえます。
円滑なコミュニケーションが取れると仕事の成果もあがりやすく、ストレスの軽減につながるためです。
具体的に、職場で馴染みやすくなる方法をご紹介します。
笑顔で挨拶・名前を覚えることから
自分から笑顔で挨拶をし、話すときは相手の名前を言うように心がけてみましょう。
笑顔で挨拶をするだけで印象が良くなり、会話のきっかけになります。
あわせてビジネスマナーもしっかり身に付けておくと、より効果的です。
また、相手の名前を覚えることで、親近感をもたれやすくなります。
名前を覚えるのが苦手という方は、特徴も合わせてメモしておくのがおすすめです。
社会人の基本ができていないことにより職場で浮いているケースは多いため、一度振り返ってみましょう。
質問上手・聞き上手になる
うまく会話ができないと悩んでいる方は、聞き上手・質問上手を目指してみてください。
世の中には自分の話をしたい人が多いため、自然と好印象をもたれやすくなります。
質問上手・聞き上手になるには、相手の会話に関心を寄せ相槌や質問をするのを心がけるとよいでしょう。
会話の中で有益な情報を得られやすく、相手からも信頼されるメリットもあります。
質問上手・聞き上手になるのは、年上が多い職場の場合とくに有効です。
なるべく負の感情を表に出さない
基本的に職場で負の感情を出すことは、なるべく避けるのをおすすめします。
すぐ怒ったり不機嫌になったりする人には、誰も近づかないものだからです。
イライラしたり腹が立ったりした時は、その場から離れたり休憩したりして気持ちをリセットするのをおすすめします。
愚痴や不満、悪口は職場では控え、なるべく敵を作らない立ち回りがベストです。
無理に派閥へ入らない
派閥がある場合、無理して参加し職場に馴染もうとするのはリスクです。
あくまで中立な立場を保ち、仕事に集中するのをおすすめします。
何か言われても聞き役に徹し、意見を求められた時ははぐらかしましょう。
人間関係に一線を置いて割り切るようにすると、余計なトラブルに巻き込まれにくくなります。
上司に相談する
仕事で必要な会話もできない・いじめがある場合、上司に相談するのも手ではあります。
職場環境が変われば仕事の成果も挙げやすくなり、ストレスも軽減できるためです。
ただし職場環境が悪い原因は、上司にあることも少なくありません。
上司に相談できなければ、さらに上の役職やパワハラ窓口に相談するか、転職を視野に入れるのをおすすめします。
馴染めないストレスによる適応障害に要注意!
多くの人にとって職場に馴染めないことは、強いストレスの原因です。
馴染めないのは自分のせいだと我慢してストレスをためることにより、適応障害を発症してしまうケースがあります。
本項目では、適応障害の症状や対応についてご紹介します。
適応障害とは
適応障害とは、耐えがたい強いストレスによって不安や気分の落ち込みを生じる病気です。
うつ病と症状が似ていますが、うつ病の場合はストレスの原因がはっきりせず治療も長期間になりやすい特徴があります。
一方で適応障害の場合は、発症の原因となっているストレス源が明確です。
また、ストレスの原因や環境から離れることで、すみやかに症状が回復するのも特徴です。
そのため適応障害は、わがままや軽い病気であると誤解されやすい面もあります。
実際はうつ病と同様に自殺リスクが高い病気であり、放置するのは危険です。
適応障害かもしれないと思ったら病院へ
職場に馴染めないことにストレスを感じていて、以下の症状に当てはまる時は病院の受診をおすすめします。
- ゆううつな気分
- やる気が起こらない
- 倦怠感がある
- 夜眠れない
- 食欲がわかない
- 自暴自棄になる
- 無断欠勤してしまう
受診するのは、精神科か心療内科がおすすめです。
適応障害の治療は、薬物治療や環境調整がメインになります。
放置すると悪化してしまうため、早期に治療を開始することが重要です。
職場に馴染めないのは自分のせいとは限らない
職場で馴染めない原因は、必ずしも自分のせいとは限りません。
たしかに自分自身に原因がある場合は、コミュニケーションや関わり方次第で解決できる可能性はあります。
一方で職場環境が原因なら、無理して馴染もうとすることは避けるべきです。
我慢することによる強いストレスから、適応障害を発症するリスクがあるためです。
適応障害は軽い病気であると誤解されがちですが、放置すると悪化し仕事や生活に支障をきたしてしまいます。
職場に馴染めないストレスによる不調がある場合、専門医の診察を受けるようにしましょう。
ケイエスガードでは、こころの病気をもつ方を対象に、安定した就労を目指すための支援を行っています。
適応障害を診察できる専門医の紹介も行えますので、ぜひお気軽にご相談ください。